たぁこの森

音大で学んだこととか、音楽に関するいろいろを発信していきます。

音楽理論入門書&楽典のおすすめ7選

和声や対位法などの音楽理論を学んだり、楽曲分析、楽器演奏において、楽典と呼ばれる音楽理論の基本事項や概念を学ぶことはとても重要です。
本記事では、数ある音楽理論入門書、楽典を学んだ筆者が楽典教本の必要性やおすすめの楽典教本、選び方、学べる内容などを紹介します。

積み上げられた本

はじめに

楽典とは、音楽の基礎理論を体系的に学ぶことで、音の高さや長さ・リズム・和音・調性などの基本的な概念や、それらの表現方法、音楽の構造を理解するための知識・技能・技法のことです。
楽典を学ぶことで、楽譜を読めるようになり、楽器演奏や作曲など、音楽に関するさまざまな分野で活躍するための基礎が身につきます。
いわゆる音楽理論の入門書です!
今回は、様々な楽典書籍を読み漁った筆者がこれから学ばれる皆さんにおすすめの一冊をご紹介します!

楽典を学ぶメリットとは?

楽典を学ぶことには、音楽に関する理解を深めるための多くのメリットがあります。

 楽譜を読めるようになる
楽典を学ぶことで、音符やリズム、和音などの記号を理解することができます。
これにより、楽譜を読むことができるようになり、自分で楽譜を見て音楽を演奏できるようになります。
 音楽理解が深まる
楽典には、音楽における基本的な概念が含まれています。
例えば、音の高さや長さ、リズム、和音、調性などです。
これらを学ぶことで、音楽の構造や表現方法を理解し、音楽の魅力をより深く味わうことができます。
 楽器演奏が上達する
楽典は、楽器演奏に必要な基礎技術を身につけるためのものでもあります。
例えば、音程やリズムの正確な取り方、和音の構成方法などを学ぶことができます。
これにより、楽器演奏の技術が向上し、より表現力豊かな演奏ができるようになります。
 自作曲のクオリティをあげることができる。
楽典を学ぶことで、音楽理論に基づいたクオリティの高い作曲ができます。
例えば、調性や和声法などを理解することで、自分の思い描く曲を作り出すことができます。

以上が、楽典を学ぶことのメリットの一部です。
初心者でも楽典を学ぶことで、音楽に関する理解が深まり、より楽しい音楽ライフを送ることができるようになります。

楽典を学ぶ前に注意しておくべきこと

楽器の演奏経験があまりない人がいきなり楽典などの音楽理論を学ぶのはよくありません。
特にこれから作曲をしたいという人で、作曲をするなら理論を学んでおいた方が良いだろうと考える方が少なくありません。
しかし、演奏や作曲経験があまりない人がいきなり音楽理論を学んでも実際の曲と結びつかず、息詰まることになります。
ある程度の演奏、作曲経験を先に積むか、既存の好きな楽曲の譜面を楽譜制作ソフトやDAWソフトで打ち込むこんでみるというのをお勧めします。
そうすることで感覚的に音楽のルール、法則を知ることができますし、作曲する人は楽曲制作ソフトの扱い方を身に着けることができます。
簡単で短いものでもいいんで、何かしら曲を作れるようになった頃合いから学ぶと良いです。

特に作曲でしたら、「作りながら覚える3日で作曲入門」という本に取り組むと、ソフトの使い方を学びながら、簡単な曲を作ることが出来るのでオススメです。

本の後半は理論で、少し難易度が高く感じますが、とりあえず前半部分をやり込むと良いと思います。

楽典教本の選び方と比較ポイント

楽典に関する書籍は沢山ありますが、楽器を演奏される方、好きな音楽のジャンル、作曲、DTMなど、学習者の立場は様々です。
立場が変わると、学びやすい書籍も変わってきます。
逆に言えば、立場を考慮しないで選んでしまうと、自分の音楽活動とマッチさせて学ぶことができず、結果的に苦手意識を持つことになります。
例えば、クラッシック音楽を演奏、学ぶうえで重要な「和声法」と、ジャズを源流とし、ポップス音楽全般で使われる「コード理論」は同じ和音を取り扱いますが、和音へのアプローチの仕方がそれぞれ違います。
また、「オーケストラ系の楽器を演奏する人」と、「楽器の演奏はしないし、楽譜も読めないけど、クラシック音楽が好きな人」でも、楽典を学ぶ目的や理解しやすい内容が変わってきます。
ご自身の音楽活動の中身を理解した上で、自分の学ぶ目的に適した書籍を選びましょう。

音楽理論入門、楽典教本のおすすめ7選

中高生の吹奏楽部員におすすめ!

高校性のめの吹奏楽楽典・音楽理論侘美秀俊

 

吹奏楽部に入部すると初心者なのに聞きなれない音楽用語が飛び交い、なんとなくで間違った用語解釈をしている人も少なくありません。
アーフタクト、アーティキュレーションハーモニクス...、中学時代に吹奏楽をやっていた私も実際にこれらの意味を正式に知ったのはレッスンに通い始めてからでした汗
中には「こんなことも知らないのか!」と言われるのが怖くて聞きづらいという人も多いと思います。
こちらの本は吹奏楽でよく使われる音楽理論や用語を中心に初学者にも分かりやすく解説しています。
音楽理論を学ぶことで、楽曲への理解が深まり、より良い演奏に繋がります。
特にこれから後輩を指導する立場になる人は、それまでの演奏経験が理論を学ぶための助けになりますし、的確な指導ができるようになります。

大受験生やオーケストラ系の楽器を演奏される方におすすめ!

楽典:理論と実習/音楽之友社

定番中の定番とも言える「黄色い楽典」です。
大受験、それ以降に取り組む和声法などの音楽理論を学ぶ為に欠かせない一冊です。各項目ごとに問題や本の最後には章末問題があります。
ただ文章がかなり堅苦しく、理解しずらい面も...汗
学習する際は、音楽の専門家からアドバイスをもらったり、YouTubeでこの楽典を使って、分かりやすく解説している動画があるのでそちらを参考にしましょう。

大受験生のためのパーフェクト楽典・問題集/ドレミ音楽出版社

 

大受験をされる方は、別に問題集を用意し、黄色い楽典は教科書として横において勉強すると良いです。
この問題集は実際の音大受験で出題される入試問題を分析して作られており、解答には赤ペンで手書き風に解説が書かれていて、親近感が湧きます。
問題集を何周もして音大受験対策をしましょう。

クラシック愛好家におすすめ!

やさしくわかる楽典/青島広志

 

作曲家、ピアニストだけでなく、テレビ「題名のない音楽会」や「世界一受けたい授業」などのメディア出演もされ、プロデューサーや作家、イラストレーターなど幅広くご活躍されている青島広志さんが執筆したユーモアあふれる一冊です。
各所にあるコラムはクラシック愛好家にはたまらないでしょう!
青島広志さんは他にも多数本を執筆されています。どれも分かりやすく、知的好奇心をそそる内容になっているのでおすすめです。

ポピュラー音楽の演奏と作曲をする人におすすめ!

音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ/いちむらまさき

 

特にギーターやキーボードなどのバンド演奏をする人が音楽理論学び始めるのに最適的な本です。
オケや吹奏楽で使われる五線譜になじみのない人にとって、自身が取り組んでいる楽器で解説されているので、実際の演奏や楽曲製作をする時のイメージがしやすいでしょう。
この本で「音のしくみ」を学ぶごとで、耳コピが早くなったり、コード進行を覚えやすくなります。
また、クラッシック音楽を学ぶための楽典と違い、コードやキーなどポピュラー音楽でよく使われる用語がメインになるので、非常に実践的な内容になっております。
CD付ですので、実際の音を聴きながら学べるのが良いですね。Amazonの読み放題、 kidleunmitidのサブリスク登録をされている方は追加課金なしで読めるようになっています。
著者のいちむらまさきさんは他にもバンドマン向けの書籍を執筆していますので、演奏、作曲の表現、技術の幅を広げたいという方はぜひ手に取ってみてください。

作曲、DTMをする人におすすめ!

作曲も音楽之友社の黄色い「楽典」に取り組むのが一般的ですが、それ以外にも役立つ本をご紹介します。

ちゃんとした音楽理論書を読む前に読んでおく本/侘美秀俊

 

侘美秀俊さんは理論、作曲、DTM、楽曲制作ソフトの使い方などの書籍を数多く執筆し、かみ砕いた表現で分かりやすいと定評がある作曲家さんです。
和声法やコードを学ぶ上で非常に重要な倍音について解説されている書籍は少ないですが、その倍音についてとても丁寧に分かりやすく説明されています。
こちらの本は、単純だけど重要な知識なのに単純であるがゆえに見落とされがちな事について、しっかり解説されていてます。
音楽之友社の黄色い楽典を勉強していた私でも、「そういうことだったのか!」と曖昧に理解していたものを気づかされることが沢山ありました。
音楽理論に初挑戦する人だけでなく、楽典を勉強されている方の知識の補填として読んでみるのもよいと思います。
複雑な理論より単純な理論を意外となんとなくで覚えてしまっていることってあるあるあるです。

聴くだけ楽典入門 藤巻メソッド/藤巻浩

作曲関連の書籍、「藤巻メソッド」シリーズの中の一冊です。
タイトルの通り、付属のCDを聴くだけでも大体は理解できる内容になっており、他の事をしながら聴いて学べます。何度も繰り返し聞くことで脳に定着するので、忙しい人にとって効率的に学べてよいですね。
非常に分かりやすい内容になっていますので、時間があるときは本を開いて読むことで、さらに理解を深めると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
楽典とは音楽の基礎的な学問であり、音楽理論の入門書です。楽典を学ぶことにより、楽譜を読めるようになり、楽器演奏や作曲など、音楽に関するさまざまな分野で活躍するための基礎が身につきます。また、音楽をより深く理解し、鑑賞することができるようになります。
初心者でも楽典を学ぶことで、音楽の魅力に触れることができるため、是非挑戦してみることをおすすめします。
ただ世の中には数多くの音楽理論入門書、楽典が出回っており、学習者にとっての音楽理解に必要な本を探すのはとても大変な事です。
しかし、学習者が自身の音楽活動について理解しており、楽典、音楽理論入門書でもどういった人向けに執筆されているのかが分かれば、必要な書籍はおのずと絞られてきます。自分に合った書籍を探してみて下さい。