たぁこの森

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フルートの音色改善に効果的な練習方法とアプローチ

フルートを吹く女性

前回は、私の音がなかなか改善されなかった原因と、どうやって改善されたかという記事でした。

今回は具体的な、音色改善の練習法について詳しく紹介していきます!

はじめに

前回の内容から、いかに発音練習が良い音色を奏でるために重要かがお分かりいただけたかと思います。

前回の記事をまだお読みでない方は、まずはそちらをお読み下さい。

発音練習をしよう!

フルートを吹かれる殆どの方は基礎練習の最初にロングトーンをしますね。

でも、ロングトーンと同じくらい大切なのがこの発音練習です。

発音が上手くいっていないのにロングトーンをしてしまうのは、良くない吹き方をデフォルト化していることになります汗

発音練習をするときは、タンギングをつけずに息だけで「ふっふっ」と発音します。

 

もしこの「ふっふっ」のノンタンギングでの発音で音を外してしまう場合、正しい吹き方ではないということになります。

 

タンギングをつけたら音があたるという場合は、タンギングの勢いだけで音を鳴らしているので、無駄に息が必要となります。

 

フルートには音が楽に鳴るベストポイントがあり、そこから外れてしまうと、息のスピードや勢いが必要となり、息の消費が多くなり、息が続かなくなってしまいます。

 

結果、アンブシュアにも余計な力が入り、音がきつく、息の音が大きくなるという悪循環になります。

 

まずは、発音練習で音が楽にならせるベストポイントとアンブシュアの状態を見つけましょう。

 

発音練習は、立花雅和さんの「お腹を使った発音」という動画を参考に練習してみましょう!

最初はタンギングでの発音練習ですが、1分50秒からノンタンギングでの練習の解説に入っております。

 


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この練習を全ての音域の音でやるのが理想ですが、時間的に厳しい場合は、調を決めてやっても良いしょう。

ただ、神田寛明さんの著書「もっと音楽が好きになる上達の基本フルート」には以下のように記述されております。

 

正しく音を出すための息の圧力や、角度の許容範囲がもっとも狭い第2オクターブのミとファを正しく出すことが出来れば、フルートを吹くのに適した息の圧力・アンブシュアといえます。

引用元:神田寛明『もっと音楽が好きになる上達の基本フルート』より

 

 

また、フルート初心者さんにとっては、この練習がかなり難しく感じるかもしれません。

その場合は、慣れるまで長めに吹いてもOK!

参考譜例としては、ドレミ楽譜出版社から発行されている加藤克朗さんの「フルート教本」の14ページ、【Lesson1 はじめての音】の下の方に2分音符「フーフー」とやる練習が記載されています。

 

 

また、この続刊である「フルート教本2巻」の最初の方にも、ノンタンギングの発音練習が毎日基礎練習課題として載っています。

 

 

加藤克郎さんの本は、体系的にフルート奏法を学ぶのに非常に適している本です。

特に初心者の方はこの本も一緒に取り組むと、更に良いでしょう。

 

 

ロングトーン or ソノリテをやろう!

発音練習で良い発音ができるようになったら、その良い状態をロングトーンでも維持できるように取り組んでみましょう。

あえて、ロングトーンやソノリテの発音をノンタンギングでやってみても良いですね!

一応、ソノリテの参考動画も掲載しておきます。

 


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初心者の方は、まずはこのソノリテではなく、1音を8拍間、良い音で安定したロングトーンができるようにしましょう。

 

ソノリテというのは2音間の音の響きを同じ音質で吹けるようにするものです。

 

譜面上は簡単ですが、滑らかに2つの音を同じ響きでつなげるのは、実はとても難しく、1音で8拍の安定したロングトーンが出来ないと練習の効果を発揮できません。

 

 

 

プロの演奏を聴いて、真似しよう!

YouTubeやCDなどで、ご自身が理想とする音を奏でるプロ奏者が演奏している曲と全く同じ楽譜を用意して、そのプロの演奏にできるだけ近づけるように演奏してみましょう。

 

立花千春さんの模範演奏CD付の楽譜集です。

簡単な譜面ですので、初心者の人でも取り組みやすいでしょう。

 

 

こちらは譜面のみですが、CDも販売しておりますし、東京フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者である神田勇哉さんがYouTubeで全曲演奏されております。

 

ビゼー/「アルルの女」よりメヌエット


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シュテックメスト/歌の翼による幻想曲


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更に演奏する際は、自分の演奏を録音して、あとでプロと自分の演奏を聴き比べてみましょう。

この練習の目的は、プロの音をよく聴いて、自分の音との違いは何かを見つけ、どうすれば、プロの音に近づけるかを考えながら吹けるようにすることです。

音の明確なイメージがなければ、自分の理想の音を吹くことができません。

また、音色というのは曲によって変える必要があるので、プロのフルート奏者が、どんなふうに音色を変えて、音楽表現をしているのかを知る必要があります。

ただ聴くのではなく、同じ曲を演奏している方が、音楽の聴き方が変わってきます。

その美しい音色を奏でるためにプロ奏者はどのようなブレス・発音・息のコントロール・リリース(音の処理)etc...をしているのかよく聴くことが大切です。

そして、その中で録音した自分の演奏は何が足りないのかを考えましょう。

 

参考動画

神田寛明/良い音を出す練習


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こういう跳躍の発音練習もとても良いです。

立花さんの練習法になれてきたら、スケールでやってたり、3度以上に跳躍にアレンジしてやってみると良いですね。

また、神田寛明さんは動画や書籍のなかでノンタンギングでやる時の発音は「Ha」やるように仰っています。

私はずっと「Fu」でやっていたのですが、実際に「Ha」実践してみました🙋‍♀️

さすがに完全に「Ha」では音を鳴らせなかったのですが、「Ha」を意識しながらやると、完全にアンブシュアに力を入れずに、練習することが出来ることに気づきました!!

「Fu」の発音だと、アンブシュアに力を入れようと思えば入れられちゃうんですね💦

「Ha」を強く意識した上で、「Ha」と「Fu」の中間ら辺の発音でやってみたら、とても良かったです(*^^*)

 

尾崎勇太/【全員やってください。】初心者におすすめ、基礎連3選!!【音作り】


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尾崎勇太/”発音力”を鍛える練習みせます。


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さいごに

音でお悩みの方は沢山いて、只管、ロングトーンに取り組んでいる人はとても多いといます。

ロングトーンをいくらしても、音の改善が見られない方は、是非ともご自身の「アタック(発音)」を見直して頂けたらと思います(*˘︶˘*).:*♡